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世界で一番おいしくパンを焼ける!?科学とデザインが融合したトースター

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世界で一番おいしくパンを焼ける!?科学とデザインが融合したトースター
省エネでカラダに心地よい自然な風を送る未来型の扇風機「GreenFan」が大ヒットした家電メーカーのバルミューダ株式会社。そんなバルミューダが新たに調理家電に挑戦し、世界で一番おいしいパンを焼けるというトースターを開発した。キッチンチームリーダーの木下直子さんにお話を伺った。

クリエイティブとテクノロジーで人を幸せにする会社バルミューダ

『BALMUDA The Toaster』(バルミューダ ザ・トースター)
『BALMUDA The Toaster』(バルミューダ ザ・トースター)

2015年春、バルミューダから発売されたスチームトースター『BALMUDA The Toaster』(バルミューダ ザ・トースター)。バルミューダ独自のスチームテクノロジーと徹底した温度制御により、外はサクッと、中はしっとりとした最高の焼き上がりを実現可能にしたという。

 

価格は2万2900円(税抜)。売れ筋商品が1万円以下の市場においてかなり強気な価格設定であるが、売れている。その理由を木下さんに詳しく聞いてみた。

 

木下さん : パン屋さんの焼きたてホヤホヤのパンって一番おいしいですよね。あの味を再現したくて。一般家庭の食卓で、「リベイク(温めなおし)が出来る」、焼き立てのようなおいしいパンを食べたいと考えたのが始まりでした。

市販のパンを焼きたてのおいしさにリベイク(温めなおす)

― 市販のトーストをおいしく温めなおすには?

 

木下さん : トーストは、表面をきつね色に焼き上げ、中のほうはバターなどの油脂成分と水分を逃さずしっとりとさせるのがベストです。このベストな焼き上がりを再現するために、約5000枚以上のトーストを焼いて食べるという実験を繰り返しました。その実験結果である温度の変化とパンの焼き上がりやおいしさを検証し、ソフトウェアを開発しました。普通のトースターとは比べものにならない位のハイスペックなコンピューターに搭載するレベルの基板で、トーストを最高の状態に焼き上げる温度制御を可能にしたのです。

 

バルミューダは家電メーカーではなく、クリエイティブとテクノロジーの会社だという。実験に裏付けされた科学の力で、庫内の温度を測りながらヒーターを1秒単位で制御するというとんでもない製品をつくり出した。

実際に、トーストを焼いて頂いた。

 

木下さん : トースターの上から専用のカップ1杯(5cc)の水をそそぐと、ボイラーから蒸気が発生して庫内にはスチームが充満します。そして、パンの表面は薄い水分の膜で覆われます。水分は気体よりはるかに早く加熱されるので表面が軽く焼けて、なかの水分やバターなどの油脂成分、香り成分をしっかりと閉じ込めることができます。

待つこと数分。表面がきつね色に焼けたトースターが完成した。扉を開けると、香ばしい香りがふわっとする。

 

木下さん : 上下についたヒーターのオンオフによって庫内の温度を完璧に制御しています。はじめにパンの風味をよみがえらせるという60度で上昇させ、つぎに表面をきつね色にカリッとさせる160度、最後に焦げ目がつきはじめるギリギリの220度まで上昇させ、絶妙に焼き上げます。

 

こうして、コンビニでも売っているごくごく一般的な食パンでも「リベイク」ができ、そのおいしさを最大限に引き出せるという訳だ。

BALMUDA The Toasterには、トーストモード、チーズトーストモード、フランスパンモード、クロワッサンモード、クラシックモード (300W/600W/1300W)という5つのモードが搭載されている。

 

木下さん : パンの種類に合わせてモードを変えます。クロワッサンは、従来のトースターだとあっというまに表面だけが焦げてしまいますが、BALMUDA The Toasterは完璧な温度制御をするのでクロワッサンでも焦げる心配がありません。外がサクッとしていて中がしっとり。焼き上げ直後のクロワッサンを再現できます。

我々がいちばん驚愕したのが、チーズトーストだ。これが、本当においしい!

 

まさに「サクッ、モチッ、とろ~り」とした理想の食感を実現していて、この一切れで十分な旨味を堪能できる。程よく焦げたチーズとパンのもっちり感がたまらないのである。

「魔女の宅急便」に出てくるニシンパイを焼くかまどをイメージ

バルミューダの魅力といえば、性能のよさもさることながら、シンプルかつスマートで美しいと各所で絶賛されるそのデザイン性の高さだ。このトースターは、2015年のグッドデザイン賞の金賞を受賞。

 

木下さん : 今回、調理家電をつくるにあたって、これまでのヒット商品である扇風機や空気清浄機など無機質でフューチャリスティックなデザインから一新することにしました。と言うのも、一度、従来のバルミューダらしいデザインで試作機をつくってみたら、「おいしそうなものが出てくるもの」にはまったく見えなくって・・(笑)

そこで、「おいしそうなものが出てくるもの」のイメージってなんだろうと考えていると、あっ、ジブリ映画の「魔女の宅急便」に出てくる「おばあさんがニシンパイを焼く大きなかまど」なんじゃないかという話になり、トースターのイメージが固まってきたんです。ヨーロピアンでクラシックだけどモダンで上質な感じがする、そんなトースターを目指して約2000枚ものデザイン案を考え、社内で意見を出し合いました。

出来上がったのは、丸いフォルムに光沢を抑えたマット加工のモダンクラシックなトースター。あえてトースターの窓を小さくし、覗きこむとじわじわと温められて炎色に染まった熱々のおいしそうなパンが目に映り、食欲を掻き立てられる。

 

理想のデザインを追い求め、通常のトースターに付いているはずの耐熱皿まで外してしまったというから驚きである。

デザインの追求は終わらない。オープンキッチンでも気兼ねなく置けるよう、トースターの裏側の色や素材にも統一感をもたせた。

五感にアプローチして人の人生をよくしたい

コモディティ化された家電市場に敢えて挑む企業の姿を不思議に思う人もいるだろう。その理由を聞いてみた。

 

― なぜ、バルミューダ社は既存の家電に敢えて挑戦するのでしょう?

木下さん : 日ごろ「こういうものだ、仕方ない」と諦めて人が使っている家電を、ストレスなく使っていて心地よいと思えるものに変えていきたい。心地よさ、気持ちよさを提供し、よい体験をしてもらう。五感を充実させよい体験をすることによって、人生は良化する。人の人生をよくしたい、それが私たち企業理念です。

 

価格でも機能でもない、ユーザビリティ(製品の使いやすさ)で勝負をするバルミューダ社の強い理念が伝わってきた。その例として、開発段階でどうしても譲れなかったことがあると言う。それは、トースターの「音」だ。

 

木下さん : 従来のトースターのように急かされているような音ではなく、もっと聞いていて心地よい、気持ちいい音はないかと満足するまで追求しました。

 

カチッ、カチッ、カチッ。

 

なるほど、時計の針が進むような、なんとも可愛らしく心地よい音だ。毎朝、こんな音と共に香ばしい香りがふわっと漂ってきて、サクッモチッとしたトースターが食べられたら・・本当に人生がよくなるかもしれない。

 

企業理念にどこまでも愚直なバルミューダ社の開発姿勢には脱帽である。ただの家電メーカーではない。社会に新たな価値を生み出すまさにイノベーション企業と呼ぶに相応しいだろう。

 

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文:村井朱美
大学卒業後、大手ネットサービスで広告営業を経験しフリーライターに。
ファッションやライフスタイル、インタビュー記事など幅広い分野で活動中。

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