照明がもたらす空間美は、光の種類によってさまざまな表情を見せてくれます。たとえば、くつろぎのシーンに寄り添う照明は、ダウンライトやペンダントライトなど、照明そのものにアートを感じさせるものがよく似合います。そんな光の演出のお手本になるのが北欧の人々の暮らし。灯りそのものがインテリアになる、光のマジックをご紹介します。
北欧の家々に灯るやさしい明かり
カラフルな色合いが特徴の北欧インテリアや雑貨。ハイセンスなデザインは日本でも大人気。実はその色合いには、北の国に住む人々の思いが込められていることをご存知ですか?
1年を通じて日照時間が少ない北欧地域では、自然と家の中で過ごすことが多くなります。少しでも明るい気持ちになるようにと、人々は壁紙やカーテン、カーペットなどのファブリックに豊かな色彩を求めるようになったといいます。そこに素朴な家具とやさしい灯りがあることで、暮らしにぬくもりがもたらされているのです。
そんな北欧の家に住む人々は、光の回し方が本当に上手。本来、照明は家の中を照らすものですが、窓辺にキャンドルや間接照明を置くことで、屋外にも光の演出を凝らすのが北欧流。窓辺からふんわりとこぼれる灯りは、家路を急ぐ人の足元を照らす、サーチライトのようにも見えます。
照明がもたらす光のマジック
ひと口に照明といっても、シーンや用途によってさまざまな種類があります。たとえば、ダイニングには食事をおいしく見せる白熱灯がおすすめ。くつろぐ、TVを見る、読書をするなど多目的なリビングには、複数の照明を配することで光の演出を楽しむことができます。天井のシーリングライトを基本に、テーブルスタンド、フロアスタンドなどの間接照明を置いてみましょう。
スタイリッシュなデザインを選ぶことで、照明そのものがインテリアになりますよ。
北欧デザインと日本の伝統工芸「藍染め」のマリアージュ
日本の伝統美も北欧デザインに負けてはいません。日本庭園やそれを眺めるための窓など、伝統的な日本家屋には日本人の美へのこだわりが随所に散りばめられています。また、鮮やかな藍の色に染め上げる「藍染め」の技術も日本が誇る伝統工芸のひとつ。海外ではIndigo Blue(インディゴブルー)と呼ばれ、デニムのほか、さまざまなファブリックアイテムに使用されているとか。
高い美意識を持つ日本人の感性は、北欧デザインに通じるものがあります。たとえば、藍染めのシェードからこぼれる灯りはどうでしょう。淡い光が空間をやさしく包み込み、幻想的な表情を演出します。
日本でも長年愛され続けている北欧を代表するキャラクター「ムーミン」が描かれたシェードは、まさに日本と北欧の伝統美が融合した証といえますね。
北欧の人々が大切に守ってきた灯りへのこだわりは、日本人の心にもやさしく灯るはず。毎日の暮らしを照らす照明は、ときにアートになり、ときに道標にもなってくれる存在。藍染めのシェードで、光のマジックを楽しんでみてはいかが?
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