くらし

職人さんの感性が1枚1枚を作る、「にじゆら」の手ぬぐい

フフルルニュース

職人さんの感性が1枚1枚を作る、「にじゆら」の手ぬぐい
ハンカチやタオルを買うことはあっても、あえて”手ぬぐい”を選ぶことは少ないかもしれませんね。古くから日本で使われてきた手ぬぐいは、使い込むほど吸水性がよくなり柔らかくなるという特性もあるんです。今回ご紹介する「にじゆら」には、デザイン性の高いおしゃれな手ぬぐいから、子どもが喜びそうなかわいい柄までたくさん。今、改めて手ぬぐいの良さを考えてみませんか?
「にじゆら」は大阪・堺にある染め工場(こうば)が作った手ぬぐいブランドです。オンラインショップの他にも、大阪・京都・東京に店舗があります。私がお邪魔したのは、東京・御徒町にある染めこうば店。2k540という、ものづくり職人さんたちのお店が集っているエリアにありました。

おしゃれ、かわいい、おもしろい......色んな手ぬぐいに出会える

お店の入口に子ども用の甚平が! 色も鮮やかで、ワクワクしますね。
お店の中はとてもおしゃれで、「え? 手ぬぐい屋さん?」と思わずビックリしています。手ぬぐいと聞くと、白地に紺の模様が入ったレトロなものを思い浮かべてしまいがちですが、このお店はイイ意味で裏切ってくれます。
ズラーっと並んだ手ぬぐい、どれも素敵だと思いませんか? シックなドット柄もあれば、猫が描かれたもの、東京限定の柄もありました。楽器が描かれたこちらの手ぬぐいは、「サントリーホール×にじゆら」のコラボレーション商品なんだそうです。にじゆらでは12月末までの期間限定販売だそうですよ(サントリーホールのショップでは通常販売しています)。
色使いも渋いものからパステル調の柔らかいものまで豊富にあって、男女を選びません。気になるのが多すぎて、買うものが決められない! 星座や干支をイメージしたシリーズもあるので、プレゼントにもよさそうです。ちょっとユニークな柄もありますよ。
手ぬぐいのよさは、携行性と軽さ。洗ったときの水はけがいいので、より乾きが早く清潔に使うことができます。高温多湿の日本で雑菌がたまらないようにと、乾きやすくする工夫が凝らされているんですね。また、いざというときに生地を裂いて包帯などの代わりとして使うこともできるのもメリットのひとつ。こういった利便性もあり、手ぬぐいの端を切りっぱなしにするという文化は200年以上も続いているんだとか。昔の人たちの知恵は、本当にすごいです。

職人さんたちの手作業で染められた手ぬぐい

これらの手ぬぐい、明治時代初期に確立された注染(ちゅうせん)という技法を使って、職人さんが手作業で丁寧に染めているそうです。長い晒(さらし)をジャバラ状に折りたたみ20〜30枚をいっきに染めることができるので、当時としてはとても効率的な技法だったようです。とは言っても手作業ですから、1枚1枚に味があります。

「にじみ」をあえて特徴にした、ROND

「にじゆら」は、「にじむ」と「ゆらぐ」からできた造語。染めの業界ではダメだといわれていたにじみをあえて全面に出したRONDシリーズは、このブランドの原点ともいえるデザインなんだそうです。型を使わずに作っているため、職人さんの感性がそのまま手ぬぐいに。輪郭がぼんやりとした丸が生み出す優しい風合いと鮮やかな色使い、見ているだけでハッピーな気分になりますね。

インテリアにも! 手ぬぐいの使い道はたくさん

店舗内のディスプレイのように額縁にいれたりタペストリーにしたりしたくなる気持ち、わかります。手ぬぐいはキッチンで使うだけでなはなく、ワインボトルやペットボトルを包んだり、ブックカバーにしてみたり、スカーフやスヌードにもなるんだそうです。包み方やアレンジの仕方を覚えておくと、いざというときに役に立ちますよ。古くから日本で使われてきた手ぬぐい、もっと使っていきたいものです。
取扱いショップ

【取材協力】 染めこうば店(東京)

住所:東京都台東区上野5-9-18 2K540 AKI-OKA ARTISAN O-2区画
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜

文:荒木翔子
ライター。暮らしの中にちょっとした贅沢を取り入れるのが好き。ネコ型ロボットのグッズとシンプルな家具・雑貨に囲まれて暮らしています。