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現代のライフスタイルにマッチする伝統工芸「有田焼」の魅力

フフルルニュース

現代のライフスタイルにマッチする伝統工芸「有田焼」の魅力
日本を代表する磁器のひとつ「有田焼」。白い素地に描かれた赤や黄、青、緑などの美しい代表的な絵柄は海外での評価も高く、日本国内はもとより世界中で愛されています。そんな伝統工芸・有田焼にモダンデザインという新たな命を吹き込んだのが「アリタポーセリンラボ株式会社」です。約200年間、七代に渡って受け継がれた伝統と、老舗窯元が送る新しい有田焼の魅力をご紹介します。
有田は日本で初めて磁器が焼かれた産地です。この地で焼かれた磁器は「有田焼」と呼ばれ、その歴史は17世紀初頭、豊臣秀吉による文禄・慶長の役の2回の出兵の際に朝鮮から多くの陶工が連れてこられたことに始まります。1610年、国内では初となる国産の磁器として生産が始まりました。やがて有田で窯が増えるなかで濁手の乳白色の生地に赤を主調として文様を描いた「柿右衛門様式」や、金彩がはいる豪華絢爛な金襴手なども登場するようになります。それらは東インド会社を通じ、世界中に輸出されることになり、欧州の王侯貴族から絶賛を浴びることになります。
今回ご紹介する「アリタポーセリンラボ株式会社」は、1804年に初代松本弥左ヱ門が肥前有田皿山の上幸平で窯焼きを始め、以来200年間、七代に渡って有田焼を守り続けている老舗の窯元です。約400年前に誕生した有田焼のなかでも「ゴールドイマリ」として世界中に名を馳せた金襴手法を得意とする弥左ヱ門窯。有田焼の伝統技法はそのままに、現代のライフスタイルにマッチしたラインナップが国内外より高い評価を得ています。

四季を彩るARITAの新様式「JAPANシリーズ」

開窯から200年とはいえ、決して順風満帆ではなかった同社。後継者不足などさまざまな問題を抱えるなか、伝統的な様式だけでは400年の歴史を守ることはできないと七代目の弥左ヱ門となる松本哲さんは、有田焼の新しい様式「JAPANシリーズ」を世に送り出します。創業1804年の窯元「弥左ヱ門窯」のモダンブランドである「ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリングラボ)」は、有田焼の伝統技法を現代のライフスタイルに合うようリミックスし、有田焼を後世へ伝えていくことを目指しています。

JAPANシリーズは、弥左ヱ門窯ならではの門外不出の技術を活かし、新しく開発した技法を用いて作りだされました。上質で深みのある色使いは、数え切れない試作を繰り返し、進化した釉薬・技法により成功したものです。また、熟練の職人が一つひとつ吹き、刷毛を使って塗ることで、手仕事の風合いと質感を表現しています。
春夏秋冬をテーマに展開する「JAPANシリーズ」は、有田焼の伝統的な絵柄「吉祥紋様」をモチーフに、花や草、水や波、動物たちを描いています。いずれも幸運をよびこむ縁起が良いものとされ、お祝いの器にぴったり。

また、料理が映えるデザインは、いつもの料理も、盛り付けるだけで華やかに演出してくれるのもうれしいですね。

モダンでおしゃれな現代のお重?「CONICシリーズ」

次にご紹介するのは、同社のロングセラー商品で有名レストランのランチプレートにも使われている「CONICシリーズ」です。一見、蓋つきの小鉢のように見えますが、3段重ねてお重としてはもちろん、単品で小鉢に、蓋は平皿としても使えるアイディア商品なのです!
大中小の器は入れ子状態に重ねることができ、コンパクトに収納が可能。一般的に、焼き物による重ね器はプラスチック製品とは異なり、高い精度が求められます。それを実現したのが200年に渡って受け継がれてきた同社の精密な設計と確かな技術。それはまさに伝統の技術と現代の生活スタイルが融合した、新しい有田焼といえますね。

「伝統は革新していかなければならない」。

これは、七代目弥左ヱ門の言葉。おしゃれでモダンな新しい有田焼のスタイルで、食卓を彩ってみませんか?
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文:ねこりょうこ
ライター/エディター/フードスタイリスト
情報誌編集部員を経てフリーランスに。美容、インテリア、フードなど、スタイル提案の記事を中心に執筆。モットーは『食べることは生きること』。
ごはんと動物をこよなく愛し、今日も「おいしい」と「かわいい」を求め、日本全国を取材活動中。
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