クリスマスの料理の定番と言えば、ローストビーフに、チキンやターキー。でも、いつもと違ったクリスマスディナーを楽しみたければ、魚料理はいかがでしょうか?
今回はクリスマスにピッタリな、彩り豊かな「鯛の香草オーブン焼き」を紹介します。
鯛の香草オーブン焼き<下処理は、お魚屋さんにおまかせ!で楽々魚料理!>
フライパンで作るアクアパッツアは白ワインと水で煮込む過程や火加減などが難しそうなイメージですが、オーブンで焼く今回のレシピはとても簡単!
「より簡単にしたいのなら、下処理はお魚屋さんにおまかせしてしまいましょう」と宮内さん。多くのお魚屋さんやスーパーでは、鮮魚売り場のスタッフにお願いすれば内蔵やウロコの処理をしてくれるそう。このサービスを使わない手はない!
今回はウロコが残っていたので、手早く処理をしました。新聞紙の上で処理をすれば、飛び散るウロコで台所を汚さずにすみます。コンビニの袋の中で鱗をとるのも飛び散らずこちらも便利!
ウロコが取れたらエラと内臓をとり、身に切り込みをいれるのをお忘れなく。お腹に軽く塩をしてからハーブ類を詰め、表面全体にも粗塩をします。
「なんとなく、ですけど、魚のあがった漁港と同じ産地の塩が相性いい気がします」という宮内さんのこだわり。今回は佐渡の漁港であがった鯛なので、佐渡の粗塩を使用しました。
薄くスライスしたジャガイモを耐熱皿に敷き詰め、静かに鯛を乗せたら、上からミニトマトと輪切りにしたオレンジを並べます。鯛にオレンジとは意外な組み合わせですが、「鯛には柑橘系が合うんですよ」と宮内さん。
たっぷりとオリーブオイルを回しかけ、白ワインをふり、最後に胡椒と再び残りのローズマリー、タイム、バジルを乗せて香りをプラス。う〜ん、出来上がりが楽しみです。
— 30分後 —
宮内さんがオーブンから取り出すと、キッチンに充満する良い香り! 温かいうちにいただきます。
「ぜひ、鯛の身をミニトマトとオレンジと一緒に食べてみて」と宮内さん。口に入れた瞬間、感嘆の溜息が漏れました……。パリッと芳ばしく焼けた鯛が美味しいのはもちろんですが、オーブンでじっくりと焼くことでミニトマトもオレンジも甘みがぐんと増し、鯛の旨味をひきたててくれるのです。
鯛を一匹使うと、ちょっと豪勢すぎる? と思うのですが、実は鯛は年中手に入る上に養殖技術の発達で流通量が多いため、意外と安価。ローストビーフや鶏の丸焼きなどを作るよりもローコストで見た目が華やかな料理ができてしまうのです。
さらに、鯛の身をほぐしてゆでたパスタをそのまま皿で和えれば、鯛の旨味が移ったオイルがパスタに絡み、最後のひと口まで美味しくいただけますよ。
「魚料理を難しく考えないでほしいですね。調理が難しいからと敬遠しているのなら、こんなに簡単に魚料理ができることを知ってほしいです」と宮内さん。
今回教えてもらった魚料理の数々は、どれも材料はスーパーなどで手に入りやすく、時間のかからないものばかり。しかも「魚料理=和食」というイメージを持っていたとしたらそれは損! と言わんばかりの洋風アレンジばかりでした。
もちろん、シンプルな焼き魚や刺身も美味しいですが、こうしてひと手間とアイデアを加えるだけで、お客様にも出せるようなぐっとおしゃれなワンディッシュができるのです。みなさんもぜひお試しあれ。
さぁ、きょうは魚を食べよう!
文・海老原悠 写真・ただ(ゆかい)