ダークトーンが似合う季節ではあるけれど、寂しくなりがちな冬のお部屋。そんなお部屋のワンポイントに枝ものの花材はいかが?グリーンがお部屋の印象をぐっと明るく大人っぽく見せてくれます。
最終回は、渡来さんに枝ものの効果的な見せ方を教えていただきます。
思い切って大きいものを選んでみる。
花材によっては、お花屋さんで手頃な値段で買えるそうなので、思い切って枝の大きなもの、広がったものを選んでみるのがポイント。渡来さんが選んだのは、アブラドーダンツツジ。天に向かってうねる小枝が、細く繊細ながらもたくましい印象です。
薄いピンクのバラと合わせましたが、やっぱり際立つ枝葉の存在感! 花を合わせるときのポイントは?
「枝ものはインパクトが強いので、花も色やかたちに特長があるものを。また枝と花の季節感を合わせていけてあげてもいいと思います」
特に実がついている枝やコニファーなどはホリデーシーズンにおすすめ。お花屋さんで四季折々のお花ばかりに目がいきがちですが、枝葉にこそ四季が。注目してみてください。
太い枝をどうやって枝留めする?
第1回でも紹介した、花器の中で枝を折って留める方法。太い木の枝だと折って留めるのは困難です。
そこで、渡来さんは、鋏で枝の根本に切り込みを入れ、そこに、短い枝を挟み、2本の枝を固定しました。これで、器の底・側面・口の3点で支えてあげれば、しっかりと固定されます。
今回渡来さんは、葉の重なった枝などを剪定していけましたが、剪定をしなくても、十分カッコ良くいけられるのが枝もの。
「枝ものはいけばなの醍醐味のひとつですが、いけばなの経験のあるなしに関わらず、楽しんでいただけると思いますよ」と渡来さん。花よりも枝や葉はもちが良い場合が多いので、花が先に枯れてしまったら花を取り替えて、長く楽しみましょう。
癒しを求めて花をいける人、来客のためにいける人、インテリアの一部として花をいける人。
花をいける理由はさまざまだと思いますが、花を選ぶ楽しみや花をいける楽しみ、そして花とともに過ごす楽しみを感じてみてください。
文・海老原悠 写真・ただ(ゆかい)