朝ごはんをしっかり食べる派の人も食べない派の人も知っておきたい「朝の魚料理」のパワー。青魚に多く含まれるビタミンB2は、皮膚や髪・ツメの再生に役立つことや、目に良いことはよく知られていますが、なんと糖質の代謝促進にも効果があるとのこと。まさに美と健康の強い味方なのです。料理研究家・宮内さんの時短ワザで手早く美味しく魚を料理しましょう。
洋風塩煮風スープ(2人前)ポイントは、アクをしっかりすくうこと!
アラ汁というよりは、これはまさにブイヤベース……!?
「日本人だからアラ汁って言うと調味に味噌入れたくなるけど、トマトを入れると栄養バランス的にも女性には嬉しいですよね」と宮内さん。
お魚のガツンとした旨味とトマトのほどよい酸味ととろみが体のすみずみまで行き渡り、脳と体に活力を与えてくれます。アクをしっかりすくうことで魚の臭みがなくなり、魚のニオイが苦手な方でも食べやすくなります。
「手がかかっているように見えるけど、前の晩に、アラに塩をしっかり振って下ごしらえしておけば楽ですよ」
翌朝その塩を洗い落とさずそのまま鍋へ。水を入れたら火にかけてアクをこまめにとりながら調味するだけ。お客さんにも出せそうな、ごちそうスープなのです。
特に試してほしいのが、前日の夜に焼き魚やお刺身でお魚まるごと一匹食べたとき。残った骨や頭を翌朝このように調理して美味しくいただけば、アラを買う必要ナシ。まさに、魚を味わい尽くす一杯です。
(ただし、生の場合は内臓、鱗、血液はしっかり取り除いて、塩をすることを忘れずに!)
今回は焼いたバゲットを添えましたが、残りものの少なくなったご飯を入れてひと煮立ちさせ、リゾット風にしても美味しそう。ぜひお試しあれ。
鯛のハーブ焼き(2人前)<キッチングッズを使ってかしこく時短!>
鯛の切り身は身が厚いものを選ぶといいそう。ハーブソルトの香りをまとわせ、皮目から中火で5分ほど焼くと、皮はぱりっと身はふっくら。鯛なんて朝ごはんではもったいない? いえいえ、朝だからこそ食べたいのです。
鯛には、たんぱく質、ビタミンB1、B2、タウリン、ナイアシン、カリウムなどの豊富な栄養素が含まれているので、吸収率の良い朝に食べると効率よく摂取できます。また、鯛は季節問わず獲れるため、年中お手頃な価格で手に入るのも嬉しい! ぜひ朝の定番にしたいですね。
宮内さんのキッチングッズ使いにも注目。フライパンで魚が焼けるクッキングシートは、使い終わった魚焼きグリルを洗う余裕がない朝には重宝します。ムラなくきれいに焦げ目がつくので、魚焼きグリルで魚を焦がしてしまった苦〜い経験がある方にもオススメです。
朝の時間のないときに、しっかりと料理を作って食べるのはなかなか大変だとは思いますが、前日に下ごしらえをしておくとだいぶ調理も楽になるし、なによりも翌朝早起きして朝ごはんを食べるモチベーションになりますよね。和食にも洋食にも合うお魚料理のレパートリーを増やしてみてください!
⇒新スタンダード講座「きょうは魚を食べよう」vol.1「美味しい魚を手に入れたい!」
文・海老原悠 写真・ただ(ゆかい)