日本で販売されている牛肉は、和牛、国産牛、輸入牛の3種類に分けられます。輸入牛とは、名前のとおり日本国外で飼育・加工された牛肉のこと。では一体、和牛と国産牛とでは何が違うのでしょうか？

■和牛

和牛とは、日本国内で生まれ育った特定の牛のこと。和牛と表記することが認められているのは、「黒毛和種」、「褐色和種」、「日本短角種」、「無角和種」の4品種と、これらの交雑種のみです。スーパーなどに並ぶ牛肉のうち、最も多くの割合を占めるのが黒毛和種で、その数は全体のおよそ9割となっています。ここで注意していただきたいのが、「黒毛牛（黒牛）」について。一見すると黒毛和種と混合しがちですが、これは国産牛の交雑種に分類されるもので、和牛ではありません。

■国産牛

国産牛とは、和牛を除く日本国内で生まれ育った牛のこと。ただし、国内での飼育期間が3ヶ月を超えている牛であれば、たとえ日本国外で生まれた牛でも国産牛と表記することが可能です。そのため、スーパーなどで国産牛とパッケージに表記している牛肉のなかには、海外で生まれた牛が混じっていることもあるのです。そんな国産牛は、食肉用として飼育される交雑種と、牛乳生産目的で飼育される乳用牛に分けられます。

牛肉を購入するときは、パッケージの表記をよくチェックすることが大切。和牛のパッケージには、しっかりと「和牛」の表記がされているはずです。

和牛と国産牛、輸入牛の違いがわかったところで、次に気になるのが「和牛の品種により味が変わるのか？」ということだと思われます。じつは同じ和牛でも、品種によりお肉のキメや風味などが異なるため、すき焼きの美味しさにも違いが表れます。

和牛の4品種のなかでも、特に優れているとされるのが黒毛和種です。筋肉と脂肪がきれいに交雑する黒毛和種は、とても弾力感があり、それでいて口のなかでとろけるようなまろやかさが魅力の牛肉。キメの細かさや脂肪の甘みなどが人気で、日本人のみならず海外のセレブにも多くのファンをもちます。有名なブランド牛には、松阪牛や米沢牛、前沢牛などがあります。とろけるように柔らかい極上のすき焼きを堪能するなら、黒毛和種がおすすめです。

褐色和種は、赤身が多いため黒毛和種と比べて柔らかさやまろやかさは劣りますが、牛肉の脂肪が苦手な方などには人気があります。
日本短角種は寒さに強く飼育しやすいという特徴から放牧されることが多く、筋肉がつきやすいため脂肪より赤身が多めとなっています。
無角和種は風味や肉質は黒毛和種より劣りますが、赤身がぎゅっと詰まったお肉は健康志向の方から高い人気を誇っています。

このように、品種により特徴が異なります。和牛を購入するときは、上記の点にも注目して選んでみてくださいね。

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