ジョージ・ネルソンは20世紀後半のアメリカのデザインを定義づけたデザイナーのひとり。建築誌編集からコンサルタントを経て、誰もが知るデザイン家具会社「ハーマンミラー」社のデザインディレクターに就任した、モダンデザインの巨人です。ハーマン・ミラーにイームズ夫妻、アレキサンダー・ジラードをデザイナーとして迎え入れたのは何を隠そうこの人。建築家、ライター、デザイナー、教育者とたくさんの顔を持つ彼が手がけたたくさんの作品から、現在でも購入できるデザインチェアーの名作に絞ってご紹介します。
ネルソンプラットフォームベンチ
さてひとつ目は、1946年に発表されたネルソンプラットフォームベンチ。いまも、モダンデザインの象徴です。直線的なラインは、「目的を明確に示す外観を作る」というジョージ・ネルソンのこだわり。腰を下ろすベンチとしても、書物やネルソンがデザインしたキャビネットなどを乗せることもできる、機能と美しさを兼ね備えた作品です。
ネルソンマシュマロソファ
ジョージ・ネルソンと、彼のデザイン事務所で働いていた若手デザイナー、アーヴィング・ハーパーが1956年に手がけた「ネルソンマシュマロソファ」。直径約25cmの「マシュマロ」クッションが18個、艶消しのスチールフレームの上に浮かんでいるような、ユーモアのあるデザイン。60年近くたったいまも愛され続けています。
ネルソンココナッツチェア
マシュマロに続いてはココナッツ! アメリカンファニチャーの世界にモダニズムをもたらしたネルソンの真骨頂、「ココナッツチェア」です。ココナッツの殻のような、浅いカットの側面と、人を招き入れるような曲線。どのような姿勢で座っても、くつろいだまま身動きができるようなデザインが驚き。
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文・齋藤あきこ