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100年先も愛される道具を 奈良の老舗「中川政七商店」が手掛ける300周年の「くらしごと」

フフルルニュース

100年先も愛される道具を 奈良の老舗「中川政七商店」が手掛ける300周年の「くらしごと」
日本には、長い歴史と伝統に育まれた「モノづくり」という文化があります。それは、ものにあふれた現代社会にこそ大切にしたい日本のこころ。繊細な感性と職人たちの匠な技によって生まれる道具たち―。創業300周年を迎えた奈良の老舗「中川政七商店」が手掛ける「くらしごと」を紹介します。

毎日の暮らしがより快適に、豊かになるように―。料理や洗濯、掃除といった日々のくらしごとをみると、モノづくりの原点がみえてきます。
たとえば掃除。畳の凹凸にたまったホコリを効率よく掃き出すため、先人たちは「箒(ほうき)」を考案します。ホコリが巻き上がらない工夫や使い勝手のよい柄にくわえ、遊び心あふれるデザインなどが生まれました。

 

やがて、掃除機の登場によりその存在は影を潜めますが、和室の趣が見直されている昨今、再び注目を集めています。フローリングに適したブラシも販売され、その使い勝手の良さに先人たちの知恵が感じられます。

ほかにも、職人の手によって作られる風呂敷やふきん、手ぬぐいや和食器などの道具たちは今もなお、愛され続けています。電化製品があふれる昨今、それでも道具たちに魅せられるその理由とは―。わたしたち日本人は、知らず知らずのうちに利便性だけでなく、商品に込められた思想やストーリーを求めているのかもしれません。その思いこそが「モノづくり日本」の姿なのではないでしょうか。

人の手でしか作れない大切なもの

奈良の地に、創業300年を迎える老舗「中川政七商店」という会社があります。1716年(享保元年)以来、手績み手織りの麻織物中心に商売を行ってきました。かつて、奈良県では「奈良晒(ならざらし)」と呼ばれる良質な麻織物の生産が盛んでした。その歴史は鎌倉時代にまでさかのぼり、当時は僧侶の袈裟や法衣に用いられていました。やがて、茶道の茶巾や武士の裃(かみしも)などに発展した奈良晒は、徳川幕府の御用達品として認められたことで名声を高めていきます。


現在も、当時の奈良晒の製法を守りながら生地を作る同社。1疋(約24m)の生地を織るには熟練の織り子さんで10日もかかるとか。手織りならではのやわらかな手触りとぬくもり、吸収力の良さは、機械では作れない、人間の手でしか作れない大切なものがあることを信じている職人の魂が感じられますね。

奈良の老舗「中川政七商店」が手掛ける300周年の「くらしごと」

利便性だけでなく、商品の背景にあるストーリーを追求する中川政七商店。近年は「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、布ものに限らず、工芸をベースにした生活雑貨を幅広く展開しています。

また、300年という節目を記念して「三百周年記念商品」も発表。1925年のパリ万博に出展された「麻のハンカチーフ」のデザインを復刻してプリントしたハンカチや、バッグブランド「carnet」とのコラボレーショントートバッグ、日本の工芸産地を舞台に、工芸や歴史、魅力などをふんだんに盛り込んだ「日本工芸版モノポリー」などラインナップは多岐にわたります。

 

暮らしに寄り添いながら、新たな挑戦をし続ける中川政七商店。100年後も愛される道具をその手に取り、日本の心を毎日の「くらしごと」に取り入れてみませんか?

⇒詳しくはこちら:中川政七商店 公式オンラインショップ

文:ねこりょうこ
ライター/エディター/フードスタイリスト
情報誌編集部員を経てフリーランスに。美容、インテリア、フードなど、スタイル提案の記事を中心に執筆。モットーは『食べることは生きること』。
ごはんと動物をこよなく愛し、今日も「おいしい」と「かわいい」を求め、日本全国を取材活動中。
【公式ブログ】ねこ食堂