たとえば、気分がふさいだときや、心がざわざわしたとき。ふと見上げた先に花があれば、不思議と心が和らいでいきます。そこにあるだけで、暮らしにちょっとした幸せを運んでくれる花。たとえそれが道に咲く、小さな花であっても―。
花そのものも美しい存在ですが、花を挿す器、花瓶によっても全体の印象が変わります。花が主役であることに変わりはないけれど、花瓶のささやかな主張は、花の美しさを大きく左右すると言っても過言ではありません。
インテリアとしての花瓶
「フラワーベース」とも呼ばれる花瓶は、花を挿す役割のほか、インテリアとしても使うことができます。花が生けられているときは脇役に徹し、花瓶単体のときはお部屋のアクセントにもなってくれます。その存在価値は、花を挿したときの姿を想像するにとどまらず、フォルムや素材から作家の思いが感じられます。
窓辺に置いた一輪挿し、リビングの主役にもなる大きな花瓶、デザインによって変化する価値のあり方もまた、フラワーベースの魅力のひとつなのかもしれません。
2つの表情を楽しむ
花が暮らしに華やぎをもたらすものならば、花瓶は暮らしのエッセンスになるアイテムといえます。なにげなく置かれた花瓶には、その人のセンスが如実に表れるような気がしてなりません。
たとえば、ノスタルジックなムードをもつスカンジナビアデザインはいかがでしょう。北欧らしいテクスチャとモダンアートの融合は、絶大な存在感を放ちます。そこに花を挿すと、驚くほどにその存在は影を潜め、花を引き立てる脇役に早変わり。この2つの表情を楽しめることが、良いフラワーベースの条件といえるのではないでしょうか。
フラワーベースの選び方
うえに紹介したことを踏まえ、フラワーベースの選び方をみていきましょう。失敗が少ないのは、花の種類に合わせて選ぶことです。 主役の花が可憐で小さなものであれば、シンプルなデザインが良いでしょう。反対に、バラやガーベラのように花そのものの個性が強い場合は、大きく、ゴージャスな花瓶に行けてみましょう。相乗効果で花の魅力がことも。 とはいえ、あまりルールにとらわれず、自由に花を楽しむ心がなにより大切です。花に合わせて花瓶を選ぶも良し。花瓶に合わせて花を生けるのも良し。その空間にいるあなた自身が気持ちよく過ごせることを第一に考えましょう。
花を挿すことでもたらされる日々の安らぎ
「花のある暮らし」とはよく耳にする言葉。単に花を愛でるのではなく、水を挿すこと、手入れをすること、大切に育てるその行為こそが暮らしにうるおいをもたらすのではないでしょうか。花瓶を単なる器ではなく、インテリアとして楽しむ気持ちもまた、これに似ています。あなたしい花と花瓶を、日常に取り入れてみてはいかが?
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