わたしも"かわいい写真"を撮るのが大好きなのですが、スマホはスマホでももう少し変わったあそびができないか、と考えて取り入れたのが「チェキ」です。
記念写真を撮るだけでなく、秋葉原のメイドカフェなどでもよく見かけるチェキですが、わたしは2年前に"チェキ"instax mini 25を購入し、スマホと組み合わせて「切り取る」というシリーズを作っています。
「切り取る」シリーズってなに? ていうかチェキ欲しい! そういえば眠っているチェキがある! というかた、ぜひ読んでみてくださいね。
「切り取る」シリーズとは?
「切り取る」とは、風景の中でも"特に変わりやすいもの"をチェキで"切り取り"、それを再度風景と合わせてスマホで撮影するというもの。撮ったその場で写真が出来上がるカメラの特性を利用し、その場で二つの時間を一枚の写真に収めたら面白いのでは? と思ってはじめたものです。
「流れる時間」を浮き彫りにしたら面白いんじゃないかと思った
体調不良での休学を経て復学した、当時大学4年生のわたしを構成する要素といえば「ひま」と「不安」の二本柱。日々ぼんやりと空を眺めては今度どうしていこうかと頭を抱えたり、かと思えば空の色の移ろいにひそかに感動したりと、学生らしく"不安定で、それでいて穏やか"な時間を過ごしていました。
そんな時期だったからこそ「流れる時間」を可視化できるものに興味がありました。
たとえば、雲、たとえば川。一方向に流れてもう二度と戻ってこないものを見ては、「時間の可視化だ」とひそかに心震わせたのを覚えています。今よりもずいぶんポエミーだったんです。時間があると人はポエミーになってしまうんでしょう許せ、これぞ若さゆえ。
「切り取る」シリーズをはじめた
有り余る時間を使って、昔から好きだった「カメラ」であそぼうと思いついたのですが、一眼レフはやはり高くて手が出ない・・・。そんなときたまたま目に入ったのが「チェキ」でした。「懐かしい」という気持ちと「こんなに新しい機能があるんだ」と驚きました。
一番新しいものは機能も豊富だけれども、ちょっと高い。そういうわけで、安くて少し古い型のチェキを買って何かあそんでみよう、とヴィレッジヴァンガードを後にしたのがはじまりです。
チェキで綺麗な写真を撮るコツを覚えた
チェキ本体はとても安いのですが、フィルムはそう馬鹿にならない値段です(10枚入り 660円(税込))。スマホに慣れているわたし世代からすると、何枚も撮りなおせないのは新鮮で、シャッターを押す瞬間はすこしだけ緊張します。
少しでもいい写真を撮るために、覚えたコツを少しご紹介。
チェキは温度が高い方が発色がよく、撮った直後は直射日光に当てるのはNG。できるだけ春になってからカメラを持ち歩くようにしていますが、冬の寒い日などにはシャッターを切った直後に温まった上着のポケットに入れ、しばらくその場でぼーっとするようにしています。焦ってパタパタと振っていた過去の自分に決別です。
「切り取る」は作る間に静かな気持ちになれる
ぼんやり色味がでてくるのを眺めているのも面白いのですが、ポケットの中で静かに発色していくチェキを想像するのも、また楽しみのひとつ。その間にひとりで考え事をする時間さえも、自分にとってはしあわせな時間のひとつです。
ポケットから取り出して発色を確認したら、その場で構えてスマホで撮るだけ。簡単だけど、少し時間のかかる作業です。
慌ただしい日常をすこし止めるような時間
明日にはなくなっているかもしれない。それどころか数時間後、いや数秒後には変わっているかもしれないものをチェキに収め、そうそう変わらないであろう場所を含めてデジタルカメラ(スマートフォン)で撮影する。
流れる時間を浮き彫りにしている気持ちになれる一瞬。
加えて、ひとつひとつを撮るのにデジタルカメラよりも時間がかかるおかげか、丁寧な気持ちになれます。チェキを撮って「切り取る」を作るときは、生活に一手間かけて少し心が豊かになるあの気持ちに似ているんです。
できることが少ないアナログの、楽しみ方を見つける
ひそかに見つけた自分だけの遊びでしたが、Twitterに載せてみると反応は上々。自分だけの遊び方が人の遊び方にもなるのかもしれない、と頰がわずかに綻びました。
「切り取る」をまとめた記事は、わたしのブログにも記載しています。
スマホだけでも十分に楽しい日常の撮影ですが、チェキを組み合わせることでもっと楽しく、そして個人的にとっても「かわいい」写真が撮れました。少し手間をかけることで自分の心が穏やかになるのもまた魅力の一つ。
最後に
アナログなチェキは、できることが随分少なく、驚くことも多々あります。でも、最適な瞬間をただ待つしかないという受動的な感じが、潔くて好き。
天気がよく、たまたまチェキを持っていて、時間があって、切り取りたい"変わりゆくもの"を目にした・・・、そういう条件が揃わないと撮れないからこそ、日常が少し楽しくなるものです。
できることが多いデジタルと、できることが少ないアナログを組み合わせて面白みを作る。きっとこのほかにも、デジタル世代だからこそできるアナログの楽しみ方があるはずです。
「切り取る」を参考に、日常の楽しみ方をぜひ見つけてみてください。それでは!