成人女性の就業率が8割弱というフランスでは、アンチストレス法として、「塗り絵」である「コロリアージュ」を積極的に取り入れている大人女子が多いそう。塗る作業に没頭することでストレスを解消したり、童心を取り戻してリラックスできたりすると好評です。

日本の塗り絵といえば、アニメや名画を下絵としたものが主流。お手本にそって、実物に近づくよう仕上げていくのが一般的です。

一方、フランス発のコロリアージュは、植物や動物、幾何学模様などをモチーフにしたものが多く、描く人が感じたままに配色していきます。お手本や決まりというようなものがなく、先入観にとらわれない自由なスタイルが人気を呼んでいるとか。

塗り絵といえば子どもが対象と思われがちですが、コロリアージュの図案は完成度が高く、インテリアとして飾りたくなるようなデザインの美しさが魅力。まるで画集のような繊細さで、図案を眺めているだけでも十分に楽しめるほどです。

自然の美しさを楽しむなら、草花や鳥をモチーフにした塗り絵はいかがでしょう？　こちらはフランスのjardin（庭）にインスピレーションを受けた優しい図案で、無心で塗っているといつの間にか自然のなかに身を委ねたような気分に。

華やかな宮廷内の様子をモチーフにした塗り絵もあります。宮廷生活を表したパターンはなんと100種類以上。塗り絵をしながら、遥か彼方のゴージャスな世界に飛び込んでみるのも楽しそうです。

そして、「和」がブームのフランスでは、オリエンタルな模様の塗り絵も登場しています。フランスで使われる「ZEN」は「禅宗」の禅を指す言葉から広がり、日本的な自然と一体となるような雰囲気や瞑想といったイメージを持つのだとか。フランス人から見た日本を、幾何学模様の塗り絵でのぞいてみるのも面白そうですね。

うっとりするような美しさで、子どものころに楽しんだ塗り絵とは違った面白さをもたらしてくれるコロリアージュ。絵があまり得意ではないという人でも、下絵にそって塗るだけなので、色鉛筆さえあれば簡単かつ気軽に始められるのがうれしいところ。リラックスタイムにお茶でも飲みながら、大人の塗り絵を楽しんでみてはいかがでしょうか？

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