暑い暑い夏がやってきました。毎日のお洗濯がはかどる! という人もいれば、増える洗濯物が悩みの種という人もいるかと思います。そんなズボラな人にも試してほしい、夏の洗濯ワザ。今回も洗濯アドバイザー中村祐一さんに教えていただきました。
汗を吸った衣類は匂い・汚れともに「最凶」レベル。そのまま放っておくと、黄ばみや黒ずみ、イヤな匂いの原因になってしまい、落とすのが難しくなってきます。だから、早めのお手入れが大切。
特に気になるのは首もとや袖口の汚れです。汗と皮脂が混ざり合い、しつこい汚れとなってこびり付き……。通常の洗濯では落ちにくい汚れは、「下洗い」をしていきます。中村さんは固形せっけん手に取り、直接こすりつけました。
「黒ずみや黄ばみには漂白剤が効果的ですが、皮脂汚れは落ちません。だから皮脂汚れをはじめにしっかり落としましょう。汚れとの密着度が高い固形せっけんは重宝しますよ。このあとは、使い古しの歯ブラシで軽くこすって汚れをかき出します」
そのあとは、洗濯機で洗うか、前編でご紹介したように手洗いして、すすぎ、脱水して干します。天気のいい日は外干しでも大丈夫ですが、夏の強い陽射しにはご注意を。直射日光に当てると、生地によっては傷む原因になるので、陰干し推奨。
そして、できれば着るたびにきちんと洗うのが◎。大切な洋服は、自分の手でしっかり手入れをしてあげることで長持ちしそうですね。
夏小物代表・帽子を洗ってみる。
今年の夏も流行の兆しのある、つばの大きなストローハット(麦わら帽)などの帽子。もともと通気性の良い素材ですが、汗の匂いと汚れが染み付きやすく、しかも繊細な作りなので、お手入れが難しいのです。そんな帽子も中村さんの手にかかればキレイになります!
ブラシでほこりをはらったら、薬局で販売しているアルコールをティッシュにとり、内側のおでこの部分に付着したファンデーションや皮脂などの汚れを拭き取ります。その後、固く絞ったタオルで水拭きして完成。
「洗える帽子であれば、クレンジングオイルをなじませてぬるま湯ですすいでその後全体を洗うのでもOKです」
と中村さん。
素材が麦わらであれば、シャワーで軽く洗い流しても良いそうです。バスタオルなどでしっかりと水気をきって、直射日光に当てないように陰干ししましょう。
サンダルを洗うのは少し注意を!
サンダルだって洗えちゃいます。普段は汗と汚れを柔らかい布で拭き取れば、ある程度の汚れは落ちるのですが、しつこい汚れや、シーズン終わりには、サンダルを洗ってしまいましょう。
今回は革製のウェッジサンダルを用意。サドルソープ(革用洗剤)をつけて、スポンジで優しく水洗いしてみました。ただし、革の中でも特にヌメ革は濡らすと乾いた際にムラができることも。目立たないバックルの裏などで試して、乾いても周囲と色が変わらないようなら試してみる価値がありそうです。ほかの革製の靴も染色方法によっては、水洗いすると色落ちの可能性もあるので、注意しながら試してみてください。
水洗いしたサンダルはキレイさっぱり! 布で水気を拭き取って、こちらも陰干しします。
ゴムのビーチサンダルなどは、中性洗剤と食器洗いのスポンジで洗えるそうなので、こちらはいつでも試せそうですね。
素材と形状の組み合わせの数だけ洗い方もあります。洗濯の原理、洗剤の種類と効果、水温と汚れ落ちの関係……まさに洗濯は「化学の世界」。さまざまなタイプの洗剤や洗濯機が出てきて、日々洗濯は進化しています。だから洗濯は面白い!
凝った作りの服も敬遠せずに、まずはタグを確認して手洗いにトライしてみれば、きっとその服にますます愛着が湧きますよ。洗濯をマスターして、さっぱりと気持ちのいい夏を過ごしましょう。
撮影協力:センタクスタジオ
文・海老原悠 写真・山口徹花