日本が誇る「たわし」の良いところは、腰のある天然繊維がしっかりとよごれをかきだしてくれて、少々の油汚れなら洗剤も必要なく、経済的で環境への影響も少ないところ。でも、従来のデザインだと現代の台所にはちょっとイメージに合わない、という意見も多く聞かれました。
そこで、亀の子束子西尾商店が相談したのが、「大人のための素敵な良品生活」などの著書でも知られる、シンプルかつ上質なスタイルで人気の石黒智子さん。現代のキッチンでも使いやすく、モダンなデザインを兼ね備えた、天然素材使用のたわしが共同開発されたというわけです。デザインもこれまでのものとは大きく変え、ベーグルのような穴がある形としてより乾きやすくなりました。
「白いたわし」は、それぞれ大小2つの大きさで合計4種をラインナップ。手の大きさや用途にあわせて選べるのも魅力です。生産が難しく商品量の確保が難しいため、現在は限定店舗とオンラインのみの販売となっています。
こちらは、やわらかめの素材を使用した「サイザル麻」。サイザル麻とは、実際には麻ではなくリュウゼツラン科の植物。通常は敷物やロープ、ダーツボードの主原料としても知られています。「白いたわし」では、選りすぐった繊維を一束ずつ掻いて整え、たわしに仕上げています。手に吸いつくようになじみ、やさしい使い心地で大切なガラス食器やテフロン加工のフライパンも傷つけずに洗い上げてくれます。
こちらは、ヤシの実繊維を使用したかための「ホワイトパーム」。かためのホワイトパームは、亀の子束子の定番品にも使用されているヤシの実繊維を、安全な過酸化水素水で脱色したもの。しっかりとした使い心地が特徴で、ざるやまな板、包丁などの調理器具の洗浄や、泥つき野菜の皮むきにもぴったりです。
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文・齋藤あきこ